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東京都大田区蒲田 マンション建替え検討事例紹介

  • 事例紹介

ここでは、皆様からお問い合わせの多いマンション建替えについて、実際に私たちと一緒に検討したマンションの事例をご紹介します。

  • 所在地:東京都大田区蒲田
  • 築年数:38年
  • 総戸数:20戸
  • 構造規模:鉄筋コンクリート造 4階建
  • 専有面積:平均43㎡

検討の経緯


マンションの修繕計画を協議する中で、耐震改修工事や給排水管の更新に多額の費用が必要なことから、修繕積立金の値上げを行う方向で検討を進めていました。一方で、マンション建替えについて、実現可能性やコストを確認したいとの声が上がり、一度、有償で建替えプランを作成することが決議され、予算が取られました。

建替え検討結果① ビフォー・アフター


建替え検討をした結果、次のようなマンションに建て替わることが分かりました。(尚、住戸数や住戸平均面積については、プランによって変動しますので、下記は1つのプランです)

構造規模   鉄骨鉄筋コンクリート造 → 鉄筋コンクリート造
階数     4階建て        → 5階建て
住戸数    20戸         → 29戸
延床面積   940㎡        → 850㎡
専有床面積  860㎡        → 760㎡
住戸平均面積 43㎡         → 26㎡

※ 数字は一部修正しています。

建替え検討結果② 事業計画


①事業費(解体・設計・建築等)
 250,000千円
②保留床の単価
※近隣新築マンション単価の80%で設定
 650千円/㎡ 2,000千円/坪
③事業費を補うために必要な保留床
 413㎡
④自己負担なしで取得できる全体の床面積
 347㎡
⑤自己負担なしで取得できる1戸あたりの床面積(平均)
 17.35㎡
⑥Aタイプ(26㎡)を取得するための自己負担額(手出し金額)
 (26㎡ – ⑤)× ② = 5,233千円
⑦現状と同じ広さ(43㎡)を取得するための自己負担額(手出し金額)
 (43㎡ – ⑤)× ② = 15,518千円

問題点や課題


このマンションでは、建替えにより「延床面積」と「専有床面積」が減ってしまう計画となってしまいました。何故でしょうか?
実は、容積率(敷地面積の何倍の延床面積まで建物を建てられるかの割合)や建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)には余裕があったのですが、近隣に建物が建築されたことから、日影規制(近隣建物に対 して日陰となる時間を一定限度にするため、建物の高さ等を制限する)の対象範囲が多くなり、背の高い建物を建てることができませんでした。
その結果、全体の床面積や専有合計面積が減る結果となりました。ちなみに、全体の延床面積や専有床面積が減っているのに住戸数が増えている理由ですが、これは現在の住戸数よりも増えた戸数(このマンションの事例では、 20戸→ 29戸で9戸増えた)を事業協力者(デベロッパー)に売却することで、事業費用の一部をまかなうためであり、住戸平均面積を減らしても戸数を増やす形となりました。また、一人暮らしの高齢者が多かったためワンルームタイプを増やしたことや、設計の兼ね合いもありました。

まとめ


今回の事例では、現状と同じ広さの部屋を取得するのに、約 1550万円の手出し費用に加え、引越し費用 (2回分)、工事期間中の賃貸住戸の賃料、諸経費等を踏まえると、1800万円程度の費用負担となり、マンション建替えの推進は難しいとの結論に至りました。

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