マンションの建替え検討時期を考える
- コラム
マンションの建替えを考える理由は様々なものがありますが、その理由の大半は老朽化による建替えです。
では一体何年目でマンションは建替えを検討する老朽化を迎えるのかを考えたいと思います。
分譲マンションの構造はいくつか種類がありますが、その大半を占めるのがRC造(鉄筋コンクリート)です。
RC造の寿命は構造上の観点からみると150年という見解もあり、実際に110年以上も現役で活躍しているビル(横浜:KN日本大通りビル)もあります。
マンションの場合、日本では1960年ごろから建設がはじまっており、まだ60年程度しか経過していないため、構造上の観点では寿命を迎えているマンションはありませんが、建替えを検討する老朽化を迎えたと判断するケースは以下が考えられます。
①耐震基準を満たしていない建物。
②建替え工事費用と、修繕費用がほぼ同額となる場合。
③経済活動上のメリットが得られる建替えが可能な時。
①耐震基準を満たしていない建物について
地震による災害が非常に多い日本において、大地震でも耐えうる構造が確保できていることは人命を守るうえでも非常に重要となってきます。1981(昭和56)年5月31日までに建築確認を受けていた建物は旧耐震(当時は現在の耐震基準よりも低く設定されており、現在の基準では震度6~7程度でも倒壊しないように定められているが、当時は規定がなかった。)と呼ばれており、現在の耐震基準を満たしていない可能性もあります。また、鉄筋コンクリートの構造体を保護している外壁塗装やタイル、防水工事などが適切に行われていないと、構造体の寿命を短くすることにも繋がります。
②建替え工事費用と、修繕費用がほぼ同額となる場合について
マンションの設備は鉄筋コンクリートの構造体と比べると耐用年数は非常に短いものです。
一般的なマンションにある設備の耐用年数は以下の通りです。
・給水管 35年~40年
・増圧給水ポンプ 15年
・消火栓ポンプ 35年~40年
・排水ポンプ 15~20年
・排水管 40~45年
・電気設備 20~25年
・配電盤類 30~40年
・幹線設備 40~45年
・エレベーター 30年
・機械式駐車場 25年
耐用年数を迎えると使用できなくなるということではありませんが、不具合が発生しやすくなってくる時期であり、いざという時のために修繕積立金を貯めておかなければならない時期です。適切な管理を行い、適切な時期に適切な修繕や更新を行うことで、問題なく住み続けられますが、適切な修繕積立金の設定ができておらず費用面の問題で設備の不具合に対応できず居住に支障をきたす場合もあります。特に築40年以降は多くの設備の更新時期が重なることが多く、さらに外壁や防水の修繕工事も重なり非常に大きな支出をしなければならない時期を迎えます。さらに前述した設備更新とは別に各専有部の中の設備も更新時期を迎えるようになってきます。
外壁や防水工事をおこない、多くの設備関係の更新工事をおこない、さらに専有部の費用を考慮した場合、建替え費用と大差ない支出となる場合もあります。
このような事態はまさに建替えを検討する老朽化したマンションと判断できます。
③経済活動上のメリットが得られる建替えが可能な時
これは現在のマンションを解体して、新築した場合に住戸数が増え、その増えた住戸の売却益を考慮すると通常の新築マンションよりも支出が少なく建てられる場合を指します。
行政が主体となる再開発に指定された場合は、過去に各所有者の支出がなく新築マンションが建てられるという試算が出されたマンションもありました。また既存マンションの容積率(敷地に対する延べ床面積の割合)が余っており、再開発地域ではないものの建替後のマンション規模が大きくなる事例もあります。
以上の①および②については、すぐに管理会社で確認可能ですが、③については特別な調査診断が必要です。
弊社ではこの③についても、ご相談を受け付けておりますので気になることがあれば、ぜひ弊社までお問い合わせください。
CONTACTお問い合わせ
築30年を超えたら、まずはあなぶきの診断を!
ご相談無料。お気軽にお問い合わせください。
24時間365日 あなぶきコールセンター