分譲マンションが抱える4つの問題点
- コラム
マンションは必ず建替えをしなければならないということはありませんが、どのマンションでも必ず建替え等将来を検討しなければならない時期が到来します。
なぜマンションの将来を考えなければならないのか、そして将来を考えるうえで障害となってくる問題はどういったものがあるのか。
本日はマンション特有の4つの問題をご紹介します。
①意思統一の問題
戸建てなど一人の所有者が所有する建物であれば、所有者一人の意思により建替えを決断できます。しかし分譲マンションは一つのたてものを多くの区分所有者が所有しているため、共同して意思決定を行う必要があり、個人の意思で自由に建替えの是非を決められません。各区分所有者の事情も様々で、建替えの必要性は理解していても反対される区分所有者も多く、私が以前関わったマンションでも以下理由で反対されている方がいました。
・建替えにかかる費用負担の問題
・数十年居住して多くの思い出のある居室を壊したくない。
・ご高齢で建替えに伴う引っ越しが困難。
・ご高齢で新しい再建マンションには健康な状態で戻ってくることができない。etc
マンションの建て替えをスムーズに行うには管理組合が主体となり、建替え計画に対する合意を適切な手順で形成することが重要となりますが、建替えしなければならない状況にあるかどうかの検証(耐震改修や修繕・設備の更新では解決できないのか)等を行い、反対意見や建て替えを不安視される方々も納得するまでしっかりと意見交換や説明をしていくことも重要となります。
②管理組合の問題
マンションを管理するのは管理組合という組織でこれはマンションの区分所有者によって構成されています。このブログごご覧になっている多くの区分所有者がご自身の資産となるマンションを管理する管理組合の活動に関心を持たれているかと思いますが、組合活動にまったく関心のない方も一定数存在します。中には連絡先すら不明な所有者も存在し、毎年総会開催も困難な管理組合も存在します。(総会成立要件は議決権総数の半数以上を有する組合員の出席が必要。)どんなに建物が老朽化していても総会を成立させることができなければ建替えは実現することができませんし、日常的な修繕も困難となります。
この問題は管理会社へもサポートを仰ぎ日頃から区分所有者の皆様が組合活動に関心を持ってもらう対策をしていく必要があります。
③建物の老朽化問題
現在建築後相当の年数を経た高経年マンションが急激に増大しています。マンションの老朽化は居住者環境の低下だけでなく、市街地環境の低下も可能性があります。
今後発生が予測されている南海トラフ巨大地震や首都直下地震等巨大地震では甚大な被害が発生するものと思われその中で老朽化した旧耐震のマンションでは耐震・免震の検討が喫緊の課題となっています。
④住民の高齢化問題
わが国では少子高齢化が進み大きな問題となっていますが、高経年マンションでも居住者の高齢化が進んでいます。近年建築されているマンションではバリアフリーが当たり前になっていますが、高経年マンションでは高齢者やお体の不自由な方には住みにくいマンションとなっています。また、年金では管理費等の負担ができないという理由で修繕積立金不足に陥り修繕ができずさらに老朽化が進むという悪循環に陥っているマンション多く存在します。高齢者や一人暮らしの割合など現状を把握し早期な対策が重要です。
・まとめ
マンションの将来を考えると、建替えの検討は避けて通れませんがマンション状況によっては建替えが最適な解決策でない場合もあります。
どの選択が最適なのか一度みなさまもマンションの将来について考えてみてはいかがでしょうか。
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